2016年3月12日土曜日

「最後の図工」(センチメンタル版)

最も好きだった作品。
作者の女の子は6年になって一年間ずーーーと「おじさん」をテーマにしてつくっていました。
絵でも立体でも。
一年間ずーーーーーっとです。
しかもその時々によって「おじさん」は大きく異なりました。
同一人物というよりは存在としての「おじさん」という感じでした。
その珍妙な世界を、最後まで貫き、最後に究極のかたちで「おじさん」を表現したことに、結構素直に心うごきました。

いつか、というかうんと近い将来「おじさん」は忘れられてしまうでしょう。
部活とか、恋とか、いやもっとありふれた毎日のことにおいやられて、忘れられてしまうでしょう。
でもひたむきに、へんてこな世界を面白がりながら表現したことは、きっと消えない。
「おじさん」とすごした時間はきっと消えない。
「おじさん」は心の中に融け込んで、その子を勇気づけたり、笑わせたり、励ましたり。
そんな価値基準になるんではないかなあ。
その子自身に、なっていくんではないかな。

さようなら、おじさん。
またね。

3 件のコメント:

  1. ブラーヴァ!!!!!!!

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  2. 顔に付いてる小さな直方体とかも自分で採寸して綺麗に組み立ててるし、立たせるための立脚の工夫とかまじでよく出来てる。木じゃなくて紙でやっちゃうってところだよね。これはAがたくさんつくわ。

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  3. 「おじさん」とすごした時間はきっと消えない。「おじさん」は心の中に融け込んで、その子を勇気づけたり、笑わせたり、励ましたり。そんな価値基準になるんではないかなあ。その子自身に、なっていくんではないかな。⇦本当そうあって欲しい。人生は「層」だから。おじさんを丁寧に丁寧に愛(め)でた彼女の「感情や思い」は、この先、将来に塗り重ねる感情の色の下で、密やかな声かもしれないけど、上の色に影響を与えてくれるんだと思う。

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